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2021/10/04 11:40


若狭牛は福井が誇る部ブランド和牛です。
でも正直言って、普通の若狭牛であれば
当社がおススメすることはありません。

それは...
畜産県として福井はまだまだ発展途上にあり
日本有数の生産量を誇る鹿児島や宮崎などとは
牧場数やインフラ整備、畜産の技術や歴史において
大きな差があるからです。

プロの目から見て、その差はそのまま
精肉の品質に大きな差を生んでいます。
※あくまで個人の見解です

でも、ここでおススメする若狭牛は
通常の若狭牛とは別モノといっても
過言でない位、強烈な旨味を備えています。
なので弊社が勝手に若狭ナカノ牛と命名しました(笑)

▼福井のお肉博士こと中野直幸氏の協力により実現


この特別なお肉を取り扱っているのが、
福井県坂井市の精肉店『株式会社ナカノ』さんです。

社長の中野直幸氏はその道40年のキャリアを誇る
お肉のプロ中のプロ。
弊社代表中澤の大師匠でもある中野社長は
お肉に対する深い愛情と止まることを知らない情熱、
そして圧倒的な経験と知識をもつ
福井のお肉博士です!

そんな中野社長のこだわりは、他のお肉屋さんが
一朝一夕で真似できるものではありません。

提携牧場で育てられるナカノ社専用の若狭牛は
神戸牛や松坂牛がそうであるように雌牛のみです。
さらには餌へのこだわり、自然放牧、通常より長い
肥育日数など、特別な育て方と愛情を受けて
立派な成牛になります。

そうして丹精込めて育てられたナカノ社専用の
牛さんを屠畜後30日間『枯らす』ことでさらに
お肉の旨味をぎゅぅぅぅっと!凝縮していきます。

▼『枯らし熟成』とは?


ナカノさんの牛肉は、”枯らし”という
日本の伝統的なお肉の熟成を行っています。
別名「吊るし熟成」とも呼ばれ、
一定の冷蔵庫内で屠畜したばかりの
お肉を枝肉のまま吊るし数週間保管します。
その間、吊るされた枝肉からはゆっくりと
余分な水分が抜け、旨味成分が凝縮し、
芳醇な和牛の香りが引き出されていきます。

▼日本に古くから伝わる先人の知恵

実は、このような熟成方法は
今に始まったことではありません。
日本では「熟成」という言葉がない時代から
鳥や鹿を吊るしておくという習わしがありました。
ドライエイジングに代表されるような
熟成という言葉が流行りだしたのは
ここ数年ですが、この枯らし熟成は
70年代頃までは町のお肉屋さんでも
行われていたそうです。

▼旨味成分がなんと2倍以上に

ナカノさんが行っている成分分析調査では、
旨味成分であるアミノ酸値が熟成前と比べ
なんと2倍以上!になることが解っています。

▼なぜ?失われゆく熟成文化

枯らし熟成は枝肉の水分量が減る上、
表面全体を削り取るので、商品として
提供できるお肉が極端に少なくなります。
長い時間と手間がかかる上、
歩留まりの悪さから原価が4~5割高くなり、
ともすれば利益を残すのが難しい商品となります。
そんな中、真空技術の発達と普及によって
効率と利益が最優先されるようになり、
日本の古き良き枯らし熟成を行う店も減少。
今では数少ない貴重な技術となりました。

▼伝統的な熟成技法を現代に

株式会社ナカノさんでは、
「利益や効率より生命に感謝し、最高の状態で
お肉を提供するのが我々の使命」
という信念の基、30年も前から枯らし熟成の
お肉を販売して来られました。効率や利益より、
愚直に最高の美味しさを追い求め、
この伝統的な技法を現代に再現している
今や日本でも貴重なお肉屋さんです。

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